拝啓、あしながおじさん。 ~令和日本のジュディ・アボットより~

拝啓、あしながおじさん。 ~令和日本のジュディ・アボットより~

これは 《あしながおじさん(ジーン・ウェブスター)》 ファンフィクション

last update最終更新日 : 2025-09-24
作家:  日暮ミミ♪完了
言語: Japanese
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概要

三人称

純愛

青春

高校生

年の差

初恋

「お元気ですか? わたしは今日も元気です――。」 山梨の養護施設で育ち、高校進学を控えた相川愛美は、施設に援助してくれているある資産家の支援を受けて横浜にある全寮制の名門女子校へ進学。〝あしながおじさん〟と名付けたその人へ、毎月手紙を出すことに。 しばらくして、愛美は同級生の叔父・純也に初めての恋をするけれど、あるキッカケから彼こそが〝あしながおじさん〟の招待であることに気づいてしまい……。 (原作:ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』)

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第1話

ゆううつな水曜日…… page1

「――はあ……」

 ここは山梨(やまなし)県のとある地方都市。

 秋も深まったある日、一人セーラー服姿の女子中学生が、学校帰りに盛大なため息をつきながら田んぼの(あぜ)道をトボトボと歩いていた。

 それは決して、テストの成績が悪かったから……ではない。彼女の成績は、学年ではトップクラスでいいのだから。

 彼女の悩みはもっと深刻なのだ。進路決定を控えた中学三年生にとって、進学するか就職するかは一大事である。

 彼女は県外の高校への進学を望んでいるけれど、それが難しいことも分かっている。

 なぜなら、彼女は幼い頃から施設で暮らしているから。

 彼女――相川(あいかわ)(まな)()は、(もの)(ごころ)つく前から児童養護施設・〈わかば園〉で育ってきた。両親の顔は知らないけれど、(さと)()園長先生からはすでに亡くなっていると聞かされた。

 〈わかば園〉は国からの援助や寄付金で運営されているため、経営状態は決していいとはいえない。そのため、この施設には高校卒業までいられるけれど、進学先は県内の公立高校に限定されてしまう。県外の高校や、まして私立高校の進学費用なんて出してもらえるわけがないのだ。

 進学するとなると、卒業までに里親を見つけてもらうか、後見人になってくれる人が現れるのを待つしかない。

「進学したいなあ……」

 愛美はまた一つため息をつく。希望どおりの高校に進学することが普通じゃないなんて――。

 学校の同級生はみんな、当たり前のように「どこの高校に行く?」という話をしているのに。

(どうしてわたしには、お父さんとお母さんがいないんだろう?)

 実の両親は亡くなっているので仕方ないとしても、義理の両親とか。誰か引き取ってくれる親戚とかでもいてくれたら……。

「――はあ……。帰ろう」

 悩んでいても仕方ない。施設では優しい園長先生や先生たちや、〝弟妹(きょうだい)たち〟が待っているのだ。

「ただいまぁ……」 

 〈わかば園〉の門をくぐると、愛美は庭で遊んでいた弟妹たちに声をかけた。

 そこにいるのはほとんどが小学生以下の子供たちだけれど、そこに中学一年生の()(たに)(りょう)(すけ)も交じってサッカーをやっている。

「あ、愛美姉ちゃん! お帰りー」

「……ただいま。ねえリョウちゃん、先生たちは?」

「先生たちは、園長先生の手伝いしてるよ。今日、理事会やってっから」

「そっか。今日、理事会の日だったね。ありがと」

 この施設では毎月の第一水曜日、この〈わかば園〉に寄付をしてくれている理事たちの会合があるのだ。

 ここで暮らす子供の中では最年長の愛美は、毎月自主的に園長や他の先生たちの手伝いをしている。――〝手伝い〟といっても、お茶を()れたりするくらいのもので、理事たちの前に出ることはめったにないのだけれど。

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